少女邂逅
キャラクター
小原ミユリ
いじめをきっかけに声が出せなくなってしまった少女。
場面緘黙というやつですね。
紬(ツムギ)
ミユリが蚕につけた名前。
難しい名前つけんなあ。
日富田紬
ミユリの学校に転校してきた少女。
傷口から糸が出てくる。
蚕
品種改良によって生まれた虫。
人間の為に活かされており自律して生きることはできない。
あらすじ
高校で酷いいじめに悩まされるミユリはある日蚕と出会いその飼育を始める。
紬と名付けた蚕を大切に飼育していたが、いじめっこに見つかりその蚕を捨てられてしまった。
絶望するミユリだったが次の日富田紬という少女が転校してきたことにより生活が一変する。
「君は、私が困っていたら助けてくれるよね、ツムギ」
ネタバレ
考察
繭の中で苦しむミユリ
いじめで声も自信も失い一人苦しむミユリはまるでさなぎの中の蚕です。
人の為に生かされ自律して生きられない蚕と同じように自分ではなく誰かの為に生きていたのでした。
紬との出会いで殻を破り少しづつ変わっていきます。
伸ばしきった髪を整えて久しぶりに学校へ行った場面はぐっときました。
まだまだ控えめながらクラスメイトとの交流で少しづつ自信を取り戻していくミユリ。
最後は自分の力で繭を破り外の世界へ飛び立っていきました。
ミユリとは対照的に自由に生きているように見えながらも本当は狭い繭にがんじがらめになっていた紬。
最後の望みに沖縄を目指すも失敗、絶望し自殺。
繭から出ると死んでしまう蚕のように繭に閉じ込もって苦しんでいたミユリ。
でも真実は繭を破って飛び立つことができができたミユリは蚕ではなかったのでした。
本当に繭の中で苦しんでいたのは自由に羽ばたいているように見えた紬で最後は繭から飛び出し蚕のように死んでしまうのでしたっていう話です。
ミユリと紬のやり取りが伏線でしたね。
「君は、私が困っていたら助けてくれるよね、ツムギ」
セリフ
ミユリと紬のやり取りもこの映画の魅力ですね。
ミユリ「だって」
紬「だって?」
ミユリ「約束したから」
紬「そうだね言い出したのは君だからね」
紬はミユリのことを「君」と呼ぶのですが、それがまたいいんだよな。
普段遭遇すると単にやべえ奴になってしまうのですが。
先生「こいつらのこと醜いって言うけど、知らないからそう言えるんだよな。
ほんと自分勝手て言うかさ」
感想
ストーリーがどうとか結末がどうとか意味が分からんとか色んな意見があると思いますが、この映画を見て思春期の多感な時期を思い出すのもいいかもしれません。
登場人物も魅力的です。
ミユリは控えめで儚げながら本当に美少女といった感じ。
触れると壊れてしまいそうな雰囲気。
保紫萌香という名前で活躍する女優兼モデルです。
独特な顔をしている紬はモトーラ世理奈という名前で活躍する女優です。
彼女は目元が特徴的で魅力だと思います。
静かに進んでいくストーリーを雨の音や淡い光などの細かい演出で彩る。
この作風というか雰囲気こそ邦画の魅力、日本の独自性なんだと思います。
学生の頃は学校が世界の全てでその小さな社会で生きることに必死でした。
大人になるとあんなに小さな世界で頭を悩ませていたことが不思議に思えてしまいます。
でも子供にとっては学校が世界の全てなんですよね。
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