攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG 第02話 飽食の僕 NIGHIT CRUISE 感想と考察

アニメ

飽食の僕 NIGHIT CRUISE

キャラクター

ギノ

ヘリのパイロット。戦争の犠牲者。
義体化と電脳化を施された体を悲観している。
重度の妄想癖がある。

第四次非核戦争

従軍者は軍の規定により電脳と部分義体を施術された。

あらすじ

ギノは自分に嘘をつき続け、本物の現実を認められなくなってしまった。

ネタバレ

考察

事件概要

9課はギノの暗殺計画を危険視しその監視にあたる。

ギノの認知的不協和

ギノは戦地で買春などの行為によって悪質な性病に侵され下半身を義体化、しかし彼はその現実を受け入れることができませんでした。
理想と現実の大きなギャップを埋めることが出来ず、その現実を正当化するための理由を作り出してしまったのです。

行きたくもない戦争に駆り出され、戦地で負傷したから義体化したのだ。
義体化しているのは自分の責任ではない、政府が悪いのだ、と。
彼はその整合性を保つために他者との関わりを断ち孤独を選びました。

しかし、その現実すらも受け入れられません。
自分が他者と関わりを持たないのは彼らが嫌いだからだ。
国やメディアに騙され戦地へ赴き、その末に義体化を余儀なくされてしまった他者は友情を築くに値しない。
そう現実を捻じ曲げます。

ギノが少佐演じる義体化の売春婦に恋をするのは、自分の下半身が偽物であることを認められないからです。
相手も義体であるのなら、自分が偽物の体であることに負い目を感じる必要もなくその原因を聞かれて現実と向き合う必要もないのです。

ギノが没頭している無差別殺人の妄想も自らの過ちや怠惰を認められず、その責任を社会に押し付けて解決するという無責任なものです。
しかし児童たちが無責任な大人に襲われたように、これらは一切無視できない問題です。
加害者の男性が一人で死ねばいいとかの自己責任論も展開されました。
しかしこれは「自己責任論」で終わらせられるほど簡単な問題ではありません。
「自己責任論」の一言で終わらせてしまう人達は彼らの身にそれが降りかかって初めてその事件の重大さ、「自己責任論」の過ちに気がつくのかもしれません。
ギノと同じく自分の責任を社会に押し付けるのは特殊な行動ではなく、当たり前の行動だと思います。

日本はどんどん貧しくなります。
今まで3等国と見下していた中国、韓国は失敗を繰り返しながら国際競争のノウハウを蓄積しています。
国際競争力を失った日本の治安は悪化し、私たちが今まで他人事だと感じていた事件や事故が目の前の現実だと気がつかされる日は近いと感じています。

みんな妄想の世界に生きている

程度の差こそあれ、私たちは妄想の世界に生きています。
この世界の認識は脳の作り出した仮想現実です。
私たちは振動する光の波長により距離、色、形を認識します。
そのままの現実ではなく、脳が解釈した風景を見ているのです。

鮭は地磁気を感じることが出来ます、彼らの頭の中には磁気が宙を漂っているように見えるかもしれません。
犬ほどの嗅覚なら物体から湯気のように匂いを感じ、その物体の動いた軌跡がまるで私たちが目で見るような景色として認識されているでしょう。
コウモリの見る音の振動の世界では人間の目には映らない遮蔽物の背後にある風景も見えています。
彼らは私たちが目で見るのとは違う世界を認識しているはずです。
現実の認識が音か、光か、匂いか、磁気か、その違いだけで全く異なる世界を見ています。
私たちの認識は現実の一側面でしかないのです。

人間は進化の過程で必要な能力だけが残され不要な能力は削除されていきます。
生存に必要のない情報は、存在していても認識する必要はないのです。
例えばそこに壁があってもすり抜けられるのなら、それを見る資源をもっと生存に必要な分野に利用するべきで、そうしない遺伝子は淘汰され存在できません。

統合失調症の患者は誰かに監視されていると感じることがあるようです。
私たちはそれを病気の一言で片づけますが、もしかしたら本当に私たちを監視している存在がこの世界にはいるのかもしれません。
彼らは何もせずただ私たちを監視している。
もし何もしない彼らを認識していちいち驚いていた遺伝子は捕食者に見つかって淘汰されてしまいます。

麻薬中毒者は虫が身体を這う幻覚を感じることがあるそうです。
もし本当に虫がいていちいちそれを見て不快に感じていたらストレスで寿命が縮んで遺伝子を残せる確率が低くなるため、次第にその虫は見えなくなってしまいます。

麻薬や病気により作り出される幻覚は私たちがそれを見えない能力を手にしただけで、現実に存在しているのかもしれません。

もし幻覚といった観測不可能な主観的な体験を否定するのなら、私たちの意識もこの世界には存在していないと言えるのです。

感想

ギノのように自分に嘘をつき続けて積み重ねてしまえば、本当の現実すら分からなくなってしまいました。
ある意味では現実は曖昧なものなんです。

攻殻機動隊をもっと理解するために

攻殻機動隊で出てくる「MIME」や「ガイア理論」。
「人形遣い」や「スタンド・アロン・コンプレックス」、「個別の11人」。
下記の本を読めば攻殻機動隊の根底に流れる本質が理解できます。

攻殻機動隊の原点

攻殻機動隊の原点。
これを読まずして攻殻機動隊は語れない。

アニメ 攻殻機動隊
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