パプリカ 感想と考察 夢ってなんだ

SF

パプリカ

キャラクター

パプリカ/千葉敦子

夢の中での人格パプリカを操るDCミニの研究者。

乾精次郎

科学を憎む誇大妄想者。

時田浩作

DCミニを開発した天才。

粉川利美

パプリカの夢治療を受ける男性刑事。
映画監督という夢があった。

小山内守雄

敦子に想いを寄せる男性研究員。

あらすじ

夢とはなんだという中国の説話である「胡蝶の夢」。
古代からずっと人類が疑問に思っている夢。
映像美、音楽で楽しめます。

ネタバレ

考察

悪夢の描写

無秩序で意味不明な所長の見る悪夢。
囃子に合わせて意味不明な発言をする人形達。
気持ち悪かったですね。あれを思いつくのはなかなかの狂人ですね。
しかしあの狂った夢の映像こそこの映画を凝縮しているものでもあります。

音楽

【平沢進】パレード(歌詞付き)~映画「パプリカ」~

平沢進さんの音楽ですね。
ベルセルクのアニメでも彼の曲が使われていますが、独特のメロディーと歌詞は不気味な夢の世界のイメージとマッチしていて本作を補強しています。

夢ってのは古代からいろんな説話があります。それくらい人類を悩ませています。
例えば古代中国の「胡蝶の夢」これは夢はその中にいる間、それがどんなに奇妙な世界だったとしてもそれが夢だと気がつかない、つまり夢と現実の区別は非常に曖昧だという説話です。
比較的新しいものではフロイトやユングがあります。
夢とは潜在的無意識の顕在化だとする考え方と人間に普遍的に備わっている無意識が顕在化した集合的無意識であるという考え方です。

夢と現実の曖昧さ、夢とは集合的意識であり、潜在意識の顕在化。
これらは本作を理解するうえで重要な考え方です。

すこし想像力を膨らませて集合的無意識を考えてみます。
人類には生存本能という普遍的な潜在意識があります。
私達個々の生存本能の集合は「人類」というより大きなシステムの生存本能を形成しています。
人類の個々の微妙な思想や性格の違いはより大きな人類というシステムに吸収され意味をなさなくなります。
人類の総体はあたかも一つの意志であるかのように振る舞ってるはずです。

一人一人の意思が統合された結果として総体としての知性が形成されます。
そしてそれはそれ自体の生存領域をこの惑星の外の領域にまで広げようとしており、そのために個の肉体という邪魔な物理的制約を取り除こうとしているように見えます。
私たちの肉体という制約は徐々に小さくなり最終的には肉体はなくなるでしょう。

人類の総体はその思考に反対する個々の異質さは取り除きます。
同調圧力なんかがそうです。

私達の意識は目には見えない大きな意識を形成し、さらにその大きな意識は私達の思考に影響を与えてその異質さを取り除き意識の均質化を図ります。
つまり私達の意識の中に実体は存在しない人類の統合された意志が刷り込まれているのです。
私達が私達のものだと考えている意思ですら、もしかすると人類という上位次元の知性に操られているだけなのかもしれません。
 
仮に夢が私たちの潜在意識だとするなら、それは既述したように人類という集合的意識によって植え付けられた潜在意識の顕在化した映像です。
夢の中の奇妙な世界は私達人間が人類という総体の意識、思考の片鱗を垣間見ている現象だと言えるのではないでしょうか。

パプリカにおける夢

夢が現実へと浸食してきたり、時田と氷室啓の意識自体が身体から離れて乾精次郎の夢の中へ取り込まれていました。
つまりパプリカの世界で夢は実在しています。

それは人間に備わる普遍的な集合意識と潜在意識、抑圧された欲望です。
時田への気持ちを認められない敦子。
親友との約束に精神の身動きを封じられていた粉川。

現実の街を破壊していた夢、つまり潜在意識はどんなに目を逸らして必死に隠してどんなに逃げてもすぐそこにある現実なのです。

感想

映像、音楽、夢の表現、支離滅裂な言葉。
芸術的な映像美と胡蝶の夢という好奇心をくすぐられる東洋的題材。
とても面白かった。外国人が好きそうなテーマと映像だなあと。

夢ってなんなんだろう。

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他の夢を扱った作品

夢に興味がある方

本作にも登場する夢に関する一つの考え方です。

ユング 夢分析論


新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス)

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