僕だけがいない街
キャラクター
藤沼 悟
リバイバルによって未来を変える能力のある青年。
過去のある事件が心残りになっている。
雛月 加代
悟の母が殺された際に起きたリバイバルの起点。
少年時代のヒロイン。
片桐 愛梨
第二のヒロインだけどあまり活躍しない。
藤沼 佐知子
悟の母。
リバイバルする前の世界では過去からの因果によって殺された。
小林 賢也
悟の幼馴染。
杉田 広美
悟の幼馴染。
リバイバル
悟の身に引き起こされる謎の現象。
ある出来事の起点まで戻ってやり直すことができる能力。
何かが引き金となって意識だけが過去の体へ引き戻される。
特に説明はない。
矢代学
悟の小学校の担任。
あらすじ
リバイバルという超能力を持つ悟は過去の事件の因果により母親を殺された。
誤解から警官に追われる。
逃走の途中でリバイバルが起きて少年時代へ。
そこで母親が殺された原因を取り除くべく奮闘する。
ネタバレ
考察
記憶だけ残して子供に戻りたいという願望
子供の頃に今の知識を持ったまま戻れたらどれだけ無双できるか。誰もが妄想したことありますね。
あの頃できなかったこと、やらなかったことがやりたい。
大嫌いだった勉強が一番やりたいことなんだから恐ろしい。
でも友達とは気が合わないだろうなあ。
きっと孤独なまま大人になって、そしたら「ああ勉強なんかより友達を作っておくべきだった」と後悔するんですね。きっと。
ない物ねだりだって気がついて終わり。そんな救いのない話も面白いではあります。
悟は小学校時代に成熟した人格と未来の記憶を持ったまま戻ります。
蜘蛛の糸
矢代はハムスター9匹?を水槽に入れてその中で藻掻き生き残っていた一匹のハムスターを見て蜘蛛の糸を思い出したそうです。
蜘蛛の糸は芥川龍之介の短編小説です。
簡単なあらすじ。
よくよく見てみると彼は生前一度だけ蜘蛛の命を助けていた。
慈悲深い釈迦は蜘蛛に準えて蜘蛛の糸を地獄の犍陀多の元へ垂らして、這いあがるチャンスを与えた。
しかし犍陀多は自分だけが助かろうとその糸に群がる地獄の罪人達を蹴落としてしまった。
それを見た釈迦は蜘蛛の糸を断ち切った。
というもの。これを矢代は読みました。
自分だけ助かろうとした犍陀多の行動を戒めるような話です。
しかし矢代はそうは受け取らなかった。
この話を知った後、彼には蜘蛛の糸が生きる人間の上にも見えるようになりました。
これはつまり矢代は神(釈迦)に憧れたんだと思います。
他人の命を握るという快感、神としての自分に陶酔してしまったのです。
その歪んだ願望を満たすために殺人に手を染めていきました。
バタフライエフェクト
映画のバタフライエフェクトっぽいなと。
あれは救いのない話だった覚えが。
バタフライ・エフェクト [レンタル落ち]
リバイバルの前に蝶が舞っています。
バタフライエフェクトは遠くで蝶が羽ばたいたらその風が起こした相互作用が嵐を引き起こすというたとえ話で力学系の相互作用が途方もない結果を引き起こすという比喩です。
つまり過去で石ころを蹴ったら紆余曲折を経て誰かが死んでしまうかもしれないという予測不能な結果を引き起こしてしまうとことですね。
本作の時間は修正力があります。
一つのきっかけを消去しても少しずつ元のシナリオに戻ろうとする力によって元の結果が引き起こされてしまうというものです。
ハードSFではなくミステリーなので時間についての設定や説明は非常に曖昧、というかありません。
序盤と終盤の落差
序盤は母親が殺された起点が小学生の頃に隠されていてその原因を探さないといけないというミステリー。
しかし序盤のわくわく感が持続しません。
以下が理由。
・序盤から矢代が犯人であるという演出が露骨過ぎて意外性が全くない
すぐに彼が犯人だと確信します。
・片桐愛梨との関係性の希薄さ
過去から彼女とのつながりがあるのかと思いきや。全くなし。
最終話の終幕の場面で思い出したかのように唐突に出てくるので、再会できた感動はなし。
・時間に関する考察はなし
何故時間には修正力があるのか、リバイバルとは何なのかという考察は一切なし。
世界観が分かりません。
確かに面白かったんですがもっと面白くなるかと思いきや終盤に行くに従いしぼんでいきます。
感想
12話と短く漫画を読んで面白かった記憶があったので見てみました。
面白いんですが、時間旅行系やタイムパラドックス系って時間に対する世界観の説明が必要だと思います。
基本的に視聴者の想像と常識に依存している内容です。
なのでタイムパラドックスのトリックで裏を突けないので視聴者の意表を突けない。
意外性は全くなく、僕だけがいない街というタイトルから想像できるしむしろタイトルを下回る印象を受けました。
僕だけがいない街 コミック 1-9巻セット (カドカワコミックス・エース)
他のタイムパラドックス系
時間について詳しく知りたいなら
タイムトラベルについての記事に大きく割かれています。
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