映画アイアムアヒーロー 感想と考察 和洋折衷のパニックホラー

ゾンビ

キャラクター

鈴木英雄

優しい性格の冴えない漫画家。猟銃が趣味。

早狩比呂美

かわいい高校生。

小田つぐみ

スタイル抜群の綺麗な成人女性。

ZQN

理性を失い人間を襲うゾンビ。

あらすじ

新人賞を獲ってから15年。芽が出ないまま時間だけが過ぎた売れない漫画家志望の英雄はそれが原因で恋人の徹子と上手くいっていない。
また徹子と喧嘩をして仲直りができないままゾンビパンデミックに巻き込まれてしまう。

日本のホラーとアメリカのホラーを上手く融合した日本ゾンビ映画の傑作。

ネタバレ

考察

和と洋の恐怖が融合

これが滅茶苦茶怖い。
「リング」や「呪怨」といったジャパニーズホラーの恐怖要素とパニックホラーという洋の恐怖要素がうまい具合に融合しています。
特に前半のウィルスに感染した徹子の動きは貞子や伽椰子の動きを彷彿とさせます。

ゾンビであるZQNはただのゾンビではありません。
人間を発見するまでの間は人間だった頃の習慣を繰り返します。
営業マン風のZQNは携帯片手に営業トークを繰り返し、スーパーへの出入りを繰り返す主婦ZQNなど。
死んでも尚、通勤を行い、使い慣れた口癖を呟き続けるという悲しさと不気味さがマジで気持ち悪い。
この習性を考えた花沢健吾氏は天才です。
この気持ち悪さは海外のゾンビ映画に輸出できる恐怖演出だと思います。

中盤がなあ

序盤のアウトブレイクから安全地帯への逃走過程は緊迫感があってドキドキします。
しかし中盤ののんびりした展開が長い。飽きます。
もっと恐怖を煽るような展開で息をつかせず最後まで走りぬいてほしかった。

原作漫画の一般受けしなさそうな部分は削除

原作では一般、というか男性の半分くらいが非常に共感できる感情を丁寧に描いています。これが花沢健吾氏の流儀で私は好きです。
でも女性には少し気持ち悪いと思われそうなんですよね。
男性が必死に隠す本音。
男性の女々しさというか、なんだろう男性の内にある弱さや葛藤。
これを描かせたら右に出る者はいないであろう花沢健吾氏ですが、大衆映画ということもあってその辺は削除されています。

「ルサンチマン」「ボーイズオンザラン」といった作品は男性の半分くらいしか共感しそうにありませんが、胸を抉るようなストーリーと描写なんですよね。
大好きです。

感想

花沢健吾作品とゾンビが好きな私にはとても面白い映画でした。
漫画版も読み終わりましたが、風呂敷広げたままで唐突な終わりという感じがしました。
途中から別のアイディアに転換しましたね。

もっと弱い英雄の活躍に期待しましたが、たぶんこれ以上弱いと気持ち悪くて一般には受けないんでしょうね。
でも私は主人公が弱くてどうしようもない人間の方が感情移入してしまいます。

本当に弱い人間が、大切な何かの為にその弱さを克服する。ただただ強いだけでは共感できない。

この世界に本当は強い人間なんていなくて、誰もが怖さや不安を抱えながら、時には大切なものから目を背けて、時には苦しさを心の奥底にしまい込んで何とか生きている。

でもそれこそ人生と人間の美しさだと思うんです。
花沢健吾氏の魅力はそこなんですよね。


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