インターステラー 感想と考察 宇宙に存在する最強の力

SF

インターステラー 

あらすじ

地球の異常気象により植物が枯死し、作物が育たずトウモロコシが主食、砂嵐が定期的に人間を襲う。
植物の死滅により地球上の酸素が低下し始める。
クーパーは人類の為、なにより家族を救うため人類の移住可能な星を探す旅に出る。

キャラクター

クーパー

元宇宙飛行士。
地球の異常気象により農業を余儀なくされている。

マーフ

クーパーの娘。宇宙へ旅立ったクーパーを待ち続ける。

アメリア

クーパーと一緒に旅に出た科学者。超美人。

TARS

クーパーと一緒に旅に出た人口知能。魅力的な人格を備えている。

ネタバレ

考察

4次元と5次元

4次元とはある場所指定するときに4つの集合の中から一つづ選びある一点を指定すること。
創作の世界では紙にに書いた点が1次元で図形が2次元。
それに奥行きを加えたこの世界が3次元、そこへさらにもう一つ時間という次元を使ってある一点を指定するのが4次元ですね。
ここまではなんとなく理解できます。

インターステラーではさらに一つ次元を加えています。
どの方向なのか説明はありませんでしたが、一般的には時間軸が無数に存在する世界のようです。
つまりパラレルワールドのどの時間にでも自由に移動できる世界。

もし4次元に知的生命体がいたらどんな世界になるか考えたことがあります。

多分それは思考が現実化する世界だと思います。
その思いが強ければ強いほど、現実化する。
例えば水が飲みたいと考えたら4次元ではきっと過程をすっ飛ばせるはずです。
だから飲みたいと思ったら既にそこにある。

3次元ではまず冷蔵庫を開けて水をとりだし、コップに注ぎ、という過程があります。
4次元では好きな時間に移動できるのでそれが実現する時間に移動すればいい、つまり何かしようと思えばそうしたいという意志さえがあればいい。
でも過去の自分が本当はそこまで飲みたくないと考えていたら、きっと冷蔵庫までいかなかったので時間を移動しても水は水は手に入りません。
要するに強い意志の力だけが直接現実へ作用する世界だと思います。

今度は5次元の知的生命体を想像してみます。時間軸が複数あるというのは恐らくですが、枝分かれ状に現実が分岐しているということだと思います。
つまり因果関係には縛られているものの可能性が存在するならどんなに確率の低い世界にでも移動できる。
4次元は思考を現実化できますが、他人の思考に邪魔されたり、また他人の思考に干渉することができません。
5次元では好きな時間と好きなパラレルワールドへ移動できるので自分にとって都合のいい世界が存在すれば移動できます。

つまり「死ねばいいのに」が4次元の実現方法なら、「死んでいればいいのに」これでいい。
これだけで死んでいる確率が存在するならその世界へ移動できます。
4次元以上に暮らす知的生命体にとって思考は武器。徹底的に管理しなければならないものです。

重力波と砂のバイナリ

重力波

質量の運動によって生み出される波動。伝わるのは時空のゆがみ。

バイナリ

2進数コード。1と0やONとOFFなど2つの状態で記述できる。10進数に当然変換できる。
コンピューターの言語として使われている。

質量の大きな物体の運動によって発生した波が時空のゆがみとして伝わっていく重力波と2種類の記号で記述できる言語であるバイナリ利用してクーパーは娘のマーフと交信します。
最初は重力により砂の落下する場所を分けて縞模様を描きました。山は1谷は0として。
しかし砂はマーフの部屋に常に置かれているわけではありません。
今度は時計の針を使ってバイナリを送信します。
長い振れが0短い振れは1。
このバイナリコードは世界を救います。

書棚から落下する本、それは最初ゴーストの仕業だと言われていました。
これは私たちが重力波を認識しないからです。
私達はそれと同じように波長の長いX線などの電磁波も認識しません。

私たちが幽霊だ妖怪だと切り捨ててきた現象はもしかすると規則性があって、説明可能な名前のない現象だったのかもしれません。
x線、ガンマ線、紫外線、赤外線などの電磁波は波長が可視光と違っているだけで認識できないのです。
先入観を捨てれば不規則に見えていた物事の規則性を感じるはずです。
偶然は本当に偶然でしょうか。

目に見えない最も強力な力

この作品ではたびたび強調されます。
「愛」は人間が持っていて自然界に存在する最も尊い力。
重力や電磁力、過去や未来といった物理法則を超越した力。
作品を通じてそう表現されています。

5次元空間に入り込めたのは確かにブラックホールがそこにあったからです。
でも行動に移したのはクーパーの家族への愛、人間の意志の力。間接的にではありますがクーパーの愛は時空を超越しそして未来を変えたのです。
ただの壮大なSF作品ではありません。「愛」の偉大さを時空という巨大で途方もないものに挑むことで表現しているのです。

だからこそこの作品は今後も語り継がれる名作なのでしょう。
クーパーの愛は時空を超越し、またマーフの元へ戻るという純粋無垢なマーフとのブラックホールよりはるかに重い「約束」を実現しました。
マーフとクーパーの引力は質量が無限大、光すら抜け出せないブラックホールの引力より強かった。

TARSとクーパーの友情

この作品のに登場する人工知能、TARSの魅力について語ります。
彼は見た目こそ奇妙で機械的ですが、「ユーモア」や「信頼度」という変数を設定されているので人間より人間らしいのです。
信頼度の設定次第で彼は人間に嘘をつけます。その嘘もユーモアによって味付けされています。

ブラックホールへ落ちていく時TARSの信頼度は90%だったと記憶しています。
彼は「ブラックホールを間近で観察できるなら本望、私は人類の為に作られたんだ」といった事を言います。
もし信頼度100%だったらTARSはなんとと言ったのだろう。と考えてしまいました。
本音はどう感じていたのか。
TARSならきっと100%だったとしても気の利いたセリフを言ってくれたはずですね。

クーパーはTARSに真の友情を感じていたように見えましたね。
生存を果たした世界でTARSを蘇らせたことにそれが反映されています。

この機械と人間のやり取りも作品の魅力の一つです。

不可能を可能にするのは人間の意志

いろいろあって高速回転する母船にドッキングする場面があります。
TARSの計算によればドッキングは不可能。これはどの程度の失敗確率を不可能と判断しているのか定義は分かりません。
しかしTARSは「不可能」と断言します。

しかしクーパーは絶対に諦めません。娘のマーフの命を救うためにどうしても母船が必要なのです。
一か八かクーパーはドッキングを成功させました。

機械にできない人間にできること、それは成功に執念を燃やし不可能を可能にすることです。
この短く緊迫した場面に詰め込まれていたメッセージ。
不可能を可能にするのが人間です。

空を飛ぶのも月へ行くのも何度も何度も失敗し、それでも立ち上がり挑戦し成功させてきました。
機械の計算は不可能を可能にはしません。
最後に成功を呼ぶのは合理的な機械の計算ではなく、そうしたいという人間の不屈の意志なのです。

感想

超壮大な映画です。
宇宙を時間を旅します。
人類の移住可能な星を探して3つの星に降り立ちます。
一つは水の惑星で山ほどの高さの津波が発生する星、もう一つは雲すら凍てつく星。
その両方も非常に迫力があり好奇心を刺激してくれます。
映画の意味が分からなくてもその映像に圧倒されます。

そしてこの映画の重要なメッセージ、「愛」の力。
物理法則や時空を超越する最強の力。
全人類に見てほしSFの傑作。
クリストファー・ノーランの天才が詰まった大作です。
インセプションをもう一度見てみるか。

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5次元の宇宙とは


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