クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル
あらすじ
しんのすけの愛してやまないアクション仮面。
そのプロモーションの一環で豪華客船でクルーズしながら映画を観ようという特別企画に食いついたしんのすけ。
グルーブだと格安になるツアーで春日部防衛隊とその親達も参加。
しかし映画の途中でサルの大群に襲撃され大人たちは孤島に連行された。
豪華客船に取り残された春日部防衛隊は大人を取り返すために立ち上がる。
この映画をきっかけにクレヨンしんちゃん映画は評価を確立。
嵐を呼ぶが枕詞になった。ジブリで言うところのもののけ姫的なポジション。
キャラクター
サル
しゃべることはできないが身振りでコミュニケーションが取れる、人間の道具を理解するなど高度に発達した知能のあるサル。
馬鹿な人間よりは頭がいいかもしれない。
パラダイスキング
舞台となる孤島のボス。アフロで派手好き。
サルを従える高い格闘技術とリーダーシップを併せ持つジャングルのカリスマ
「所詮お行儀のいいスポーツ格闘技、ルール無用のジャングルの格闘技に比べればぬるいな」
郷 剛太郎
アクション仮面を演じる俳優。
役名と本名は同じ。
柔道三段、空手二段、ムエタイ、少林寺、サンボ、骨法、ブラジリアン柔術にカポエラを少々。
「カポエラも使うと言ったはずだ。」
ネタバレ
考察
春日部防衛隊
この映画から春日部防衛隊が活躍し始めた印象があります。
見栄っ張りだけど肝が小さくマザコンでツッコミ担当の風間君、実は有能で鼻水を使った拳法が得意なボーちゃん、裏表があり裏の顔は狂暴なねねちゃん、そしてヘタレで体を張る笑いが担当のまさお君。
完璧な役割を割り当てられそれを果たしています。
じゃんけんで負けたまさお君をみんなでワニの生贄に捧げる時なんて「もう諦めて覚悟決めろよ」「男らしくない」と辛らつ。
メンバーに対して本気で命乞いをするまさお君は必見です。
しんのすけのボケに対する風間君のツッコミはキレがあります。
この映画は春日部防衛隊がストーリー、演出ともに欠かせない存在で春日部防衛隊ファンには堪らない。
大人帝国と戦える活躍をします。
パラダイスキング
悪役であるパラダイスキングのカリスマにも魅了されます。
勧善懲悪で大事なのって悪の描き方だと思います。
ただただ悪いだけで何の魅力もない敵を倒しても意味がない。
それに大義のない悪は興ざめで面白くない。
パラダイスキング、彼は悪ではなくまた別の正義、彼は彼自身の信念のために戦っている。それが大事だと思います。
彼はジャングルの掟に従い、自らが奪ってきたものを賭けて戦いを挑んできたのです。
都会の正義とはまた別のところにある正義です。
正義vs正義にこそ意味がある。
「王様というものは欲張りで、気まぐれで、残酷で・・・退屈しているんだよ」
かっこよすぎんだろ。
アクション仮面
パラダイスキングとアクション仮面の戦い。
お互いの信念を賭けての死闘になります。
ジャングルのルール無用の格闘技にアクション仮面は押されます。
しかし勝たねばなりません。
奴隷にされる親達の為に、何より「正義は勝つ」と信じている子供たちの心を裏切らないために。
何度も倒され何度も立ち上がるアクション仮面には心を打たれました。
何故立ち上がるのか?
立ち上がるには立ち上がれるだけの理由が必要になります。
ただ強いだけの正義もまた、興ざめなのです。
笑いの質が高い
クレヨンしんちゃん映画の中でストーリーやメッセージ性では大人帝国やロボとーちゃん、あっぱれ戦国には適わないかもしれません(私は匹敵していると思います)が笑いの質は本当に高いです。
子供だけでなく大人も笑わせてやろうという制作側の高いモチベーションが感じられます。
本当にこういう心配りは大切な休日を使って映画館に向かう親にはありがたいと思います。
映画館から出た後「あそこが最高におもしろかったなー」って子供と本気で議論できるんですからね。
親子2代でファンを作れるアニメってとんでもないことですよ。
下手すると3代でファンの家系だってあるでしょうね。
感想
ジブリもそうですが大人が楽しめる映画です。
子供にも大切なメッセージがあります。
笑って終わりじゃない、心に残る映画です。
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