サバイバルファミリー 感想と考察 家族とで電気は大切

サバイバルファミリー

あらすじ

ある日突然電気が止まったら、あなたは生き残れますか?
電気というか電子機器の停止によって水道、ガスといった他のインフラも全て停止。
携帯もラジオの機能を停止したため情報から一切遮断されます。
都会の人口を都会の生産能力では賄いきれません。

鈴木義之は都会に住んでいましたが、一家を守るために実家のある鹿児島を目指します。

キャラクター

鈴木家

電子機器の停止という災害に会い鹿児島を目指すことに。
典型的な日本家族。

鈴木義之

仕事一筋のサラリーマン、仕事を優先するあまり家族を蔑ろにしすぎていた。
子供達に疎まれる存在。

鈴木光恵

専業主婦。父親の役割を果たさない義之の代わりにアンバランスな家族の関係を取り成している。
典型的な日本家族の妻。縁の下の力持ちだが誰も敬意を払っていない。

鈴木賢司

夫婦の長男。一人の世界に籠り、父と母は子ども扱いするが、実は逞しく育っている。

鈴木結衣

娘。女子高生らしくスマートフォンに依存した生活をしている。
まだまだ助けが必要な未熟な高校生で精神的に脆い一面がある。

ネタバレ

考察

家族の役割

上記のキャラクター紹介でも書きましたが、典型的な日本人家族だと思います。
でもちょっと大げさかな。

お父さんは無能です。何もできない。仕事しかしてこなかったし変化した世界に順応できていない。
頼り甲斐がある風を出してきますが、行動は全て裏目に出る。
息子や妻の力を過小評価しておりそれが家族を困難へ引き摺り込んでしまいます。

でも疎まれながらも子供達と妻への愛情は本物でどんな困難な状況でも家族は守ろうと奮闘します。
職場では部長という役職を与えられており、仕事はできる。
金を稼ぐのが彼の役割かもしれませんが、時には父親と夫の役割に戻らないと。金を稼ぐだけが夫ではありません。
父親として夫としての威厳をこのサバイバルで取り戻します。

妻は夫が頼りにならないことを理解しながらも敢えて出しゃばらず、一歩引いたところから支えています。
共稼ぎが当たり前の現代には存在しない古き良き妻かもしれません。
しかし家族を蔑ろにする夫と子供達の関係を取り持ち、家族の緩衝材として働く、なくてはならない存在です。
本当に大切な役割ですが、お金のように目に見える物を生み出すわけではないので感謝はされない、子供のように家族に対して無責任に振る舞うことも許されない。軽視されがちな重要な役割を演じています。
これは私の母親がそうでした、家族を持って初めてその大変さは理解できます。
当事者の父親はあまり理解を示していませんでしたが…
そしてこの仕事をしながら私の母親は働きにも出ていました。
現代の母親はみんなそうだと思います。

息子は大学生になり、独り立ちしたい年頃で家族とは距離を置き始めます。
これは本能として組み込まれているもので当たり前のものです。
しかし同時に家族との関係性が希薄化し家族の誰も彼のことを把握できなくなります。
母親と父親は子供の頃の記憶を引きずっています。
確かにまだほんの少し親の助けが必要かもしれませんが、逞しく育っているものなんです。

このサバイバルでは親の知らない逞しさを見せます。
父親より力があるんじゃないかと思えるほどに。

娘は高校生でまだまだ親の助けが必要な未熟さがあります。
人間関係もうまくは築けないし、自分勝手、苦境での弱さも持っています。
基本的にその弱さと未熟さにイラつきますが、それも当たり前なんですよね。
子供扱いもできないし、大人と同列に扱うこともできない。
難しい年頃ですね。

このバラバラでアンバランスな家族はこのサバイバルを経て本来の姿を取り戻します。
お互いの役割に敬意を払い、その行動や意見を尊重できる。
最初は嫌々、疑いながら従っていた父親の指針でしたが、最後は父親の発言や指針に敬意を持って従います。

現実はこんな理想的な関係性は無理かもしれませんが、お互いに敬意を払うというのは目指すべき姿だと思いました。

まじでサバイバルする

この作品はまじで、サバイバルします。
目も当てられない大怪我もしますし、病気にもなる、水も食料も不足し、略奪も起きる、野生化した犬に襲われたり、川で溺れて遭難したり…etc
実際にはもっともっともっと悲惨になると思います。災害時の本当に残酷な部分は描かれてはいません。

持つものと持たざる者、水と食料と知識、必要なものを持っているものが強い。
どんな交渉でも有利になるので持つものはより強く、持たないものはより弱くなってしまいます。

この作品では描写しませんが本来暴力が支配する世界です。
女性は襲われるのが当たり前だし、殺してでも食料を奪う必要性が出てくることもあります。
災害から時間が経過すればするほど、そして復旧の見込みが薄まる程に暴力が支配します。

災害は怖い。備えましょう。備えていた者が強い世界になります。

貨幣価値の消失

災害から数日から一週間は貨幣価値があります。
しかしこれも時間の問題で結局貨幣なんか持っていてもサバイバルできません。
食料と水、そして酒やタバコの趣向品が価値を持ちます。

結局は物々交換の経済が成立し始めます。
怖いです、歴史を逆行していく、そんな異常なことが起こってしまうのが災害です。

感想

典型的な家族の絆を回復と災害の恐怖を描くストーリーです。
恐怖の部分は薄めているのでそんなにストレスはありませんが、非常に考えさせられました。

もし今世界的な大災害が起きたら人口は致命的なまでに減少すると思います。
現在の食料や水は石油などのエネルギーを使い人間だけで生み出せる量を大きく超えた生産を行なっています。
もしそれが停止したら。

殺してでも奪うしかない。生きるために。
怖いけどどうしようもない。
ある程度の災害なら準備で対応できますが、世界的な災害が起きたら。

この映画を見ると大変な危機感を覚えます。
家族を守らないと。
私は自宅に災害に備えて災害キットを用意していますが、もっと準備しようと決意した映画です。

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