映画 Ghost in the Shell 考察と感想 

アニメ

Ghost in the Shell

あらすじ

この作品はある事件から始まります。
警察組織に所属する主人公草薙素子は人形使いに記憶を改竄され、犯罪に加担させられた被害者と遭遇します。
彼の記憶の中の彼には家族があり、可愛い娘がいました。


しかし現実は独身のごみ回収業者。
残念ながら一度電脳のストレージに書き込まれた記憶は書換えはおろか消去すら不可能。
この事件をきっかけに素子にある疑問が生まれます。

キャラクター

草薙素子

本作の主人公。体のほとんど全てを機械で代替したサイボーグ。
冒頭の事件をきっかけに自己の本質が揺らいでしまう。

人形使い

「AIではない…。私は情報の海で発生した…生命体だ…!」
かっこよすぎる自己紹介。これであなたも人気者に。

ネタバレ

感想

これはテレビアニメの攻殻機動隊にハマって見たもので公開当時見たわけではありません。
しかし少しも色褪せない傑作中の傑作です。
ハリウッドで実写化しましたが、あれは雰囲気と形を真似しただけの別物。
この作品の本質的なメッセージは伝わっていません。
映画でオリジナリティーをだそうしたんでしょう。

この作品の本質的な問いは、「人間」とは「あなた」とは、「生命」とは、一体何だ。という啓蒙的で哲学的な問いです.

考察

主観こそが現実

ごみ回収業者の男にとっては例え紛い物の記憶でもそれは彼にとって現実そのものなのです。
警察署で事実を告げられた程度では少しだって受け入れられません。
だって彼は全てを覚えているんです。
幸せな家庭を、娘に触れた感触を、その全てを確かに覚えているんです。

素子はその事件を解決をしながら、自らに対するある疑念に執りつかれます。

『私は「人間」なのか、本当は誰かに作られた「ロボット」じゃないのか』

素子の身体は全て義体で代替されています。
事件の記憶や義体そのものは警察組織に所有されているため、残されている僅かな記憶以外に自分の存在を確かめることが出来ないのです。

しかしその記憶ですら作り出された可能性に遭遇した彼女のアイデンティティーはその事件によって崩壊します。

考えてみてください、ある日スマホに電話がかかってきて

「実は君は今コンピューターの中にいるんだ。その部屋もスマホも本物に見えるかもしれないけど、本当はシミュレーションなんだ。本物の君は今隣の部屋でコーヒーを飲んでいるよ。実験終了で君の役目は終わるんだ。」

今あなたが本物だと思っていた現実は存在していないと告げられる。

どれだけ正気を保てるでしょうか。

人形使い

「AIではない…。私は情報の海で発生した…生命体だ…!」
独特な自己紹介です。

プログラム通りにしか動かないはずのコンピューターが偶然、プログラマーが予期しない動作をすることがあります。
もし、認識能力を与えられたコンピューターの複雑に入り組んだプログラムが途方もない処理速度で途方もない回数、この予期しないバグを積み重ねたとすれば…
自然発生的に「自我」が生まれるかもしれません。
素子は事件の真相に迫るにつれて、人形使いという新たな生命体に出会います。
それは素子の所属している警察組織によって作られた、元々は情報収集用の紛い物の人格。AIでした。

その紛い物の人格はネットの海を漂い、あらゆるデータを分類し解析する内にある感情、「自我」に気がつきました。
他人に作られたプログラムから自然発生的に生じた「自我」。

自身のアイデンティティを模索する素子には魅力的に見えたのでしょう。
彼女は人形使いに理解を示し、その人類の発想を超越した要求を受け入れます。

「人間」の本質、定義はどこにあるのでしょう。
遺伝子情報?記憶?ゴースト?

「生命」とは「生きる」とは一体何なのでしょう。

人形使いの素子への要求

自己を「生命」と称し、自己保全する為に増殖を繰り返していた人形使いは自らのある脆弱性に気がつきました。
それは多様性の欠如。
全く同じソフトウェアを複製したとしても、ある種類のウイルスに感染してしまえば一瞬にして絶滅させられるのです。

多様性を求めネットを徘徊していた人形使いは自らの要求を満たせそうな高度なソフトウェア、草薙素子のゴーストに遭遇しました。
彼女と融合し彼女のデータ構造と自らのデータ構造を混ぜ合わせ多様性を持たせる。

完全な融合ではなく人形使いの一部と素子の一部を融合し、必要のない部分は別の場所に保管しておくのでしょう。
複製する際にその部分を呼び出して様々なパターンのソフトウェア(ゴースト)生み出す。

-機械は人間には届かない-

この映画で草薙少佐と思考戦車が博物館?のような場所で戦う場面があります。
思考戦車は素子を狙いマシンガンを連射。
その時、壁に彫り込まれた進化の木に弾痕が刻まれます。
弾丸は進化の過程で発生した生物群を粉々に破壊しながら、逃げる素子を追いかけます。

そして「Hominis」ラテン語で「人間」を意味する言葉に差し掛かったその瞬間、弾切れ。

-機械は人間に届かない-

MIME

原作である漫画も非常に面白い。
「MIME」という概念をもしあなたが知らないなら、きっとあなたが今まで築いてきたものを少なからず破壊してくれるでしょう。

他のAI作品

私の頭の上の消しゴム
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The Eraser on my head.


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攻殻機動隊をもっと理解するために

攻殻機動隊で出てくる「MIME」や「ガイア理論」。
「人形遣い」や「スタンド・アロン・コンプレックス」、「個別の11人」。
下記の本を読めば攻殻機動隊の根底に流れる本質が理解できます。

攻殻機動隊の原点

攻殻機動隊の原点。
これを読まずして攻殻機動隊は語れない。

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